『遠足』02_01

東京都町田市
   彼は東京都町田市駅前の繁華街を縄張りとする指定暴力団の組員。町田市内の都営住宅に住み、当時36歳でした。近隣の住民は彼が暴力団員であることを知らなかったが、特に周囲とのトラブルもなく関係は良好で、都営住宅の自治会長を務めるほどだった。
   06年頃の町田駅前の繁華街は、新宿から風俗店が流入し、『西の歌舞伎町』と形容されるほどになっていました。そのため風俗店と一般店舗が混在し、一部風俗店の強引な客引きやそのほかのトラブルで治安の悪化が社会問題化。条例の強化や住民の自主的なパトロールが行われるようになり、街をあげての浄化作戦により風俗店舗は激減した。そして風俗業者は『ホテトル』など店舗を構えない業態に移行。南口近くにあったちょんの間街、通称『田んぼ』も現在は潰滅状態に。また往時にみられた外国人売春婦も姿を消しました。
   彼の収入源は町田市の違法風俗店などからのものだったので、浄化作戦の影響で収入源を絶たれ組への上納金を納められなくなり、兄貴分の組員(当時37)との関係が悪化。07年4月20日、神奈川県相模原市のコンビニエンスストア前の路上で兄貴分の組員を射殺し、境川を挟んで近接する町田市の都営住宅の自室に立てこもった。その1時間前に現場近くの農協で拳銃強盗事件が発生しているが、この事件との関連は不明。
   彼は駆けつけたパトカーなどに向けて拳銃を発砲。計11回発砲し、パトカーに4発、住宅前にある公園の公衆トイレに4発命中。警察は彼の説得を続ける一方、刑事部捜査第一課特殊犯捜査係『SIT』を出動させ、隣室の壁にコンクリートマイクを設置。サーモグラフィーも投入し監視。TV局も駆けつけ、緊迫した現場は生中継された。
   翌日未明3時過ぎ、SITは閃光弾と催涙弾を打ち込み強硬突入。数時間前すでに拳銃自殺を図って虫の息になっていた彼を現行犯逮捕し、15時間以上におよんだろう城劇は終わりました。弾は右後頭部から左前頭部を貫通し、左眼球破裂。彼は治療のため釈放手続きがとられ入院。両目を失明する重傷だったが命に別状なく、同年6月29日に退院し再逮捕された。

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