『遠足』05_04
ランク
「この夫妻は『似たもの夫婦』っていうか、ダンナさんは彼女ほど裕福な育ちではないけど、成績優秀でプライド高くて、中学生の時は成績のランクでつき合う友人を選んでたりするような」
「ま、ワカリやすい秀才タイプで『ビックになりたい』が口癖のモロな上昇志向っすよね」
「夫婦共通の友人が公開した彼女との会話でも彼、『裏では人を見下す』って言われてるもんね。ちなみにこの友人って、一応は『友人』だけど、彼女に同調してダンナの人格を批判したり、会話の内容をマスコミに売ったりと」
「間違いなくウワベだけの友達っすね(笑)。録音してる時点でもう」
「ま、それはそれとして、この夫婦は社会的もしくは経済的なランク分けや階級化が人生の基準で、その中でなんとかステップアップしようとしてる」
「今の御時世、地位やスキルが最優先で、人間性は後まわしでいいことになってるっすからね」
「それじゃ親友できないだろうねぇ」
そんな境遇で彼女は専業主婦となります。今まで見比べ比較していた身近な同僚や友人から離れ、独りで過ごす時間が長くなる。自分のブランドをひけらかす相手はいなくなり、目に映るのは『似たもの同士』の夫の姿。彼女はまるで鏡を見るように、夫の中に自分の影を見ていたのかもしれません。
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