『遠足』08_02
清水
ビルから飛び降り自殺をはかった人が地上の人に当たる。
そうした巻き添えで人が怪我をしたり死亡してしまうという事件は、1~2年間隔で定期的に発生している。それが偶然なのか意図したものなのかは、当の本人が死んでしまっているのでわかりません。
無理心中という言葉や自殺サイトがあるように、同意の有無にかかわらず「死の旅路への道連れ」を望む人は多いのだけれど、そうした人が選ぶ死に場所に特定の傾向があるとも思えない。ただ、自殺志願者の中には、人々が集まる繁華街や目立つ場所での死を望む人が、少なからずいるということ。
「ちなみに清水寺から飛び降りる人ってある記録では16~18世紀にかけては年に約1~2人で、生存率が85パーセント以上もあったんだって」
「へぇ~、意外に生きてるんすね」
「広辞苑では『清水の舞台から飛び降りるよう=非常な決意をして物事をするときの気持ちの形容』ってあるから、もともと『舞台から飛び降りる=死』ではなく、願かけっぽかったりしたのかもね。あと『飛び降りの名所』なのに清水寺に向う清水坂の参道は17世紀から遊興地として栄えてたみたいだし、決して忌避するような忌わしい場所にはなってない」
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